
現在、判断力に課題がある部下も、教育によってその力を高めることができるのでしょうか。
高められます!
脳には、経験や訓練に合わせて、情報の処理方法や脳領域同士のつながりを変える性質があります。この性質を「脳の可塑性(かそせい)」と呼びます。
✅ここ!覚えておいてください。これから何度も出てきます。
新しい判断を繰り返し経験すると、その判断に使う脳の働き方も変化します。判断力を育てる教育は、この可塑性を利用しています。
2010年に発表された研究では、アクションゲームの経験が少ない参加者を二つのグループに分けました。一方はアクションゲーム、もう一方は同じように楽しめる別のゲームを使い、50時間の訓練を行いました。
参加者が行ったのは、目や耳から入る情報を集め、どちらが正しいかを選ぶ課題です。
人は判断するとき、入ってきた情報を少しずつ蓄積します。
集めた情報が答えを選べる量に達すると、次の行動を決めます。
✅選べる量に達すると!ここも覚えておいてください。
アクションゲームで訓練した参加者は、正確さを保ちながら、より速く答えを選べるようになりました。
さらに、ゲームで多く使う視覚課題と、訓練していない聴覚課題の両方に変化が表れました。研究者は、瞬間的に入ってくる情報と、その情報を蓄積して判断を作る過程との結びつきが強まったと分析しています。(sciencedirect.com, pmc.ncbi.nlm.nih.gov)
50時間の訓練によって、判断の材料を集め、正確な答えへ結びつける情報処理が変化したのです。脳の可塑性による変化が、判断の速度と正確さに表れました。
では、判断力が高まるとき、脳の中ではどのような変化が起きるのでしょうか。
会社では、一つの仕事を進めるために、企画、営業、経理、経営などが情報を共有し、それぞれの役割を果たします。脳も同じように、複数の場所が役割を分担し、情報を送り合いながら一つの能力を生み出します。
判断するときには、記憶から必要な情報を集める、これから起こることを予測する、複数の選択肢を比較する、衝動的な反応を止める、最終的な答えを選ぶという処理が行われます。
この処理に関係する複数の脳領域が、情報を送り合いながら働く仕組みを「脳のネットワーク」と呼びます。判断力は、複数の脳領域が協力して生み出す能力です。
教育によって、このネットワークのつながり方にも変化が起こります。
2013年の研究では、若い成人25人が、70時間の推論訓練を受けました。参加者は、複数のルールに従って情報を並べ、項目同士の関係を考え、答えを導き出す訓練を行いました。
研究者は、訓練を受けた人と、年齢や知能が近い対照グループの脳を、約90日の間隔を空けて測定しました。
訓練後には、ルールや情報を頭に保ち、関係を整理して答えを考える前頭部と頭頂部の結びつきが強くなりました。さらに、選択や学習に関わる領域との結びつきにも変化が確認されました。(escholarship.org, pmc.ncbi.nlm.nih.gov)
70時間の教育によって、推論や比較を支える脳のネットワークに変化が起きたのです。
企業でも、判断に必要な処理を繰り返す教育によって、社員の判断力を育てることができます。
社員が最初に自分の答えを考える。次にAIの答えと比較する。注目した情報や根拠の違いを確認する。選んだ理由を言葉にする。そして、学んだ判断方法を次の案件で使う。
この過程を繰り返すことで、AIから得た知識が社員の中に蓄積され、判断に使う脳のネットワークも繰り返し働きます。AIを、人間の能力を育てる教育システムとして活用する方法です。
判断力を育てる教育には、新しい情報を受け取り、頭に保ち、比較し、何度も考えられる脳の状態が必要です。
✅ここです。「選べる量」まで情報を集め、処理し続けるために、脳の余白が必要なのです!
BCPは、骨軸調整によって脳にかかる物理的な負荷に働きかけ、教育を受け止める脳に余白をつくります。ここでいう余白とは、集中し、情報を保ち、判断を繰り返すために使える余力です。
BCPで認知課題を実施した利用者9人では、プログラム後に9人全員の集中力が向上しました。変化は、正答率、得点、見落とし、反応速度のいずれかに表れています。
AIを使う技術を教える。判断力を育てる教育を行う。その教育が入り込む脳の余白をつくる。
人間の脳が持つ可塑性を活かし、判断を支えるネットワークを育てることが、AI時代の人材教育になります。
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