TENGUのBrain Conditioning Program(BCP)ご利用者様から一番多いのが、「アイデアが出る脳にしてほしい」という要望です。
今回から4回にわたり、「アイデア」についてお伝えしていきます。
まず、前回までの復習です。
脳には、年齢を重ねても、経験や訓練に応じて働き方やつながり方を変える力があります。これを「脳の可塑性かそせい」と言います。
この可塑性を利用してアイデアが生まれる脳を作りたい!
そのために脳の働きの構造を知りましょう。
では、アイデアは脳のどこで生まれるのでしょうか。
場所ではなく、脳の離れた場所にある領域が、情報を送り合いながら協力するネットワークという仕組みの中で生まれます。
創造的な発想には、主に三つのネットワークが関わります。
一つ目は「デフォルトモードネットワーク」です。記憶や経験を取り出し、自由に組み合わせる働きに関わります。
二つ目は「顕著性ネットワーク」です。気になる情報へ注意を向け、考え方の切り替えを助けます。
三つ目は「実行制御ネットワーク」です。浮かんだ案を比較し、目的に合うかを考え、使える形へ整える働きに関わります。
アイデア発想力が生み出され形になる。
そのとき脳では、三つのネットワークがどう連携しているのでしょうか。
2015年の『Scientific Reports』に掲載された研究では、18歳から30歳までの25人が、日用品の新しい使い方を考えました。研究者は、その間の脳活動をfMRIで測り、ネットワーク同士の結びつきを調べました。
研究では、考え始めに、
①デフォルトモードネットワークと顕著性ネットワークの結びつきが強まり、
後半には、
②デフォルトモードネットワークと実行制御ネットワークの結びつきが強まりました。
つまり、
①記憶や経験を自由に組み合わせ、「こんな使い方はどうだろう」と可能性を見つけ、
②「何に役立つか」「どう使うか」を考え、使える案へ仕上げていく。
この三つのネットワークの協力によって、アイデアが生み出されるのです。
私たちがまずみるのは、その働きを使う人の脳の状態です。
BCP利用者様には、睡眠の質の悪さや脳疲労を抱え、新しい情報が頭へ入りにくくなっていた方が多くいます。
新しい企画を求められながら、力が発揮できない。
ネットワークが効率よく働くにはまずは脳の土台を作ること。
✅ 睡眠の質を整える
✅ 脳疲労の解消
研究でも、睡眠不足と脳疲労は、脳のネットワークの「結びつき」そのものを弱めることが分かっています。
一晩の断眠をした26人をfMRIで調べた2012年の研究では、
✅ デフォルトモードネットワークの内部の結びつきが弱まり
✅ 実行制御ネットワークとの「交互に切り替わる」関係が崩れる
ことが確認されました。
アイデア発想に必要な三つのネットワークの連携そのものが、睡眠不足で乱れるということです。
また、46の研究をまとめた2025年のメタ分析でも、脳疲労が強まるほど、前頭前野まわりのネットワークの結びつきが低下することが示されています。
つまり、
アイデアが出る脳をつくる最初の一歩は、発想法のテクニックではなく、まずは睡眠の質と脳疲労を整えること。
BCPでは、まずこの「土台」から整えていきます。
次回は土台ができた脳にどんなアクションを起こせばアイデア発想力が鍛えられるのか、お伝えします。
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